黒の地色に褐色のヨコ糸で中央に四角い穴のある銭形紋の繋がる柄を織り成した羽織です。
同じ褐色の細いタテ糸でヨコ糸を固定しているようです。(写真15~17枚目)
生地は御召にも見えます。
お召しとは、御召縮緬を略したもので、先練りの生糸を染色した糸で、繊維の束を作り、それに撚り(より)をかけて、ヨコ糸にして織り上げた生地です。
撚りをかけるとは、束ねた糸を捻ることですが、捻ることにより、シボが生まれます。
この羽織には、強撚糸を使用した生地ではなく、縮緬程しぼは現れていません。
シボが無いのでお召し生地とは言いにくいのですが、紋お召しは、ヨコ糸(緯糸:ヌキ糸)にタテの糸とは異なる色を用いて地紋にタテ糸とは別の色が現れます。
この羽織は黒地に褐色のヨコ糸で地紋を表していますので、お召しに似た紋お召しの生地としておきます。
額裏はタテ糸がヨコ糸を1本跳び越えた繻子織りの構造で、タテ糸が表面に長く浮いているサテン生地を使用し、山水風景画を描いています。(写真7~9枚目はサテン地の組織図です)
雪舟の名があります。「雪舟」の模写でしょうね。
表裏とも正絹です。
寸法(単位cm)
羽身丈85 裄69 袖巾34.5 袖丈49 後巾34 前巾19
羽織表地の右前身頃の衿の右側に薄い汚れ。(写真2~4枚目)
左前袖に巾2㎝程の色の変わった横段があり、光線によって見え隠れしています。(写真2,5,6 枚目)
和裁用ものさしを羽織の袖に置いたまま、その上に和裁士が座っていたのに気づかず、繊維が抑えつけられたのかも知れませんね。
額裏の右後の裾辺りにシミ。(写真2,11,12枚目)
羽織裏の右側の肩山、袖山を対象にシミがあります。(写真2,10~14枚目)
187で出品しました着物と裄の丈は同じですが、セットでご購入いただけますと、2点で4800とさせていただきます。
通常羽織の裄丈は着物よりも長くして、羽織の袖から着物の袖が出ないほうが格好良いですね。
撮影に使用しました羽織紐と角帯は今回の出品物ではありません。
シミ、汚れ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。
ご理解の程、お願いいたします